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■【雷しゃがみ】効果は限定的!正しい知識を解説します

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【雷しゃがみ】過信は禁物!効果と危険性の正しい知識を解説
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目次

雷しゃがみとは?

雷しゃがみとは?正しい姿勢を解説

正しい姿勢を解説

雷しゃがみ(Lightning Crouch)の正しい姿勢を解説します。

雷しゃがみの正しい姿勢
  • 両足をしっかり揃え、体を低く構える
  • 両手で両耳を塞ぐ
  • 体と地面の接触点を最小限に抑えることが重要です。

雷しゃがみは安全なの?目的と効果から検証

雷しゃがみ(Lightning Crouch)は、雷から身を守る行動として広く知られています。

しかし、正しく理解されていないことも多く、「雷しゃがみ=安全に雷を避けられる」という誤解が依然として広く残っています。

【結論】雷しゃがみは、「安全ではない」!

【結論】雷しゃがみは、「安全ではない」!

結論からお伝えすると、雷しゃがみは「安全を保証する行動」ではありません。

雷しゃがみはあくまで、以下のように極めて限定的な状況で取る緊急時の姿勢に過ぎません。

雷しゃがみを使うシーン
  • 建物の中に避難できない
  • 車の中に避難できない
  • 近くに身を隠せる場所がない

つまり、雷しゃがみは「落雷から身を守る万能な姿勢」ではなく、落雷の危険が迫ったときの最後の選択肢であり、これを行ったから安全が保証されるわけではありません。

雷しゃがみの「目的」

雷しゃがみの「目的」
雷しゃがみの目的

雷しゃがみの目的は、
落雷時に人体へ流れる電流が、心臓や脳といった致命的な部位を通りにくくするためです。

両足を揃えることで電位差を小さくする

雷の電流は電位差の大きい場所へ流れます。足を広げていると左右の足に電圧差が生じ、身体に電流が通りやすくなります。足を揃えることで電位差を小さくし、地面に落ちた雷の電流が体内を流れる量を減らす効果があります。

地面との接触面積を減らすことで、電流の侵入経路を限定する

雷しゃがみは、「手を地面に着けない」、「しゃがんで体を小さくする」といった姿勢をとることで、地面に落ちた雷の電流が体内を通る経路を最小限にするためのものです。

心臓・脳を避ける経路づくり

電流は、心臓や脳といった大事な部分に電流が通らず、皮膚の外側(表面)を流れる「フラッシュオーバー」と呼ばれる現象を起こすことがあります。「雷しゃがみ」の姿勢をとることによって、この「フラッシュオーバー」が起こりやすくなるため、致命的な体の損傷を避けられる可能性がわずかに高まります。

しゃがむ理由

姿勢を低くする理由は、身体を可能な限り低く・小さくすることで、直撃雷の標的になりにくくするためです。

雷は 「周囲より高いもの」や「地面から突出しているもの」に落ちやすいため、姿勢を低くすることで直撃される確率をわずかに下げる効果があります。(※完全に避けられるわけではありません)

耳を塞ぐ理由

落雷の爆音(衝撃音)から、鼓膜や聴覚を守るためです。

雷が近距離に落ちると、100デシベル以上の爆音や衝撃波が発生することがあり、鼓膜が破れたり、強い耳鳴りに陥る可能性があります。

耳が「キーン」となって聞こえにくくなると、災害時に大切なアナウンスが聞こえなくなってしまいます。

両耳を塞ぐことで、この衝撃音によるダメージを軽減します。

雷しゃがみの「効果」

雷しゃがみの「効果」

前述の雷しゃがみの「目的」をご覧いただけると分かるように、雷しゃがみが役に立つのは地面に落ちた雷が地表を広く伝わり、周囲にいる人にも感電する「地面電流」のときだけ効果があります。

人体に直接落ちる「直撃雷」は、雷しゃがみをしていようが関係ありません。

また、雷しゃがみは地面電流に役に立つといっても致命傷のリスクをわずかに下げられる程度の効果であり、地面電流に対処できるわけではないというのもおさえておきたい重要なポイントです。

雷しゃがみに全く意味がないわけではありませんが、ほんの少しでも避難できる選択肢があるなら迷わず避難することを優先し、どうしても避難できない状況では、「やらないよりはマシ」といったレベルで、安全を保証するものではないことを覚えておいてください。

よくある質問

雷に関する誤解は非常に多く、誤った知識のまま行動すると命に関わる危険があります。
ここでは、特に質問の多い項目と、その正しい答えをまとめました。

雷しゃがみをすれば安全なのですか?

安全にはなりません。あくまで「最終手段」です。

雷しゃがみは、落雷の直撃や側撃雷を防ぐことはできません。建物や車に避難できない状況で、地面電流による致命傷のリスクをわずかに減らす効果があるにすぎません。

落雷の対処法は、「雷しゃがみ」ではなく「避難」です。

なぜ、「雷しゃがみ=安全」という誤解が広まったのですか?

誤解が広まった原因
  • 学校や登山の安全教育で姿勢だけが簡略的に紹介された
  • イラストや図が独り歩きし、目的や限界が説明されなかった
  • 避難行動よりも姿勢が強調されるケースがあった

本来であれば「雷しゃがみは避難できない場合の最終手段」であるにも関わらず、姿勢の形だけが広く知られた結果、「これをすれば雷を避けられる」という誤解だけが広がってしまった のです。

海外では、雷しゃがみはどのように解釈されていますか?

多くの海外機関では、雷しゃがみを推奨していません。
理由は、保護効果が非常に限定的で、安全を保証できないためです。

アメリカの国立気象局(NWS)は、雷しゃがみを推奨した過去の方針を撤回しており、公式サイトで次のように明言しています。

“The National Weather Service (NWS) stopped recommending the crouch in 2008.
The crouch simply doesn’t provide a significant level of protection.”

(NWSは2008年に雷しゃがみの推奨を停止しました。雷しゃがみは十分な保護を提供しません。)
National Weather Service (weather.gov)

同様に、米国海洋大気庁(NOAA)も「雷しゃがみは安全性を高めない」と明確に述べています。

“We don’t recommend the crouch because it will not significantly lower your risk of being killed or injured from a nearby lightning strike.”
(雷しゃがみは、落雷による死亡や負傷のリスクを有意に下げないため推奨しません。)
— NOAA JetStream (noaa.gov)

これらの政府機関は共通して、「屋外に安全な場所はなく、建物や車への避難が最も重要」という強いメッセージを打ち出しています。

【まとめ】雷しゃがみは最終手段、まずは避難!

【まとめ】雷しゃがみは最終手段、まずは避難!

雷しゃがみ(Lightning Crouch)は、雷を避けるための安全な行動ではありません。
あくまで「建物にも車にも避難できない」という、極めて限定的な状況下でのみ使われる最後の選択肢です。

雷しゃがみには、

  • 足を揃えて電位差を減らす
  • 地面と体の接触面を最小化する
  • 電流が体表面を流れるフラッシュオーバーを促す
    といった働きがあり、地面電流による致命傷リスクを“わずかに”下げる可能性があります。

しかし、
直撃雷や側撃雷を防ぐことはできず、安全が保証されるわけではありません。
効果は限定的で、「やらないよりはマシ」というレベルにすぎないことを正しく理解する必要があります。

重要な3つのポイント
  • 雷しゃがみ=安全 ではない
  • 避難(建物か車)が唯一の確実な対処法
  • 避難できない場面だけ、最後の選択肢として使用

雷は一瞬で命に関わる自然現象です。
正しい知識を持ち、まずは「屋内・車内への避難」を最優先にしてください。
この記事が、誤解のない行動判断に役立てば幸いです。

また、突然の落雷に備えるためにも、情報収集手段として防災ラジオを1台準備しておくと安心です。
詳しくは、下記の実機レビューをご覧ください。最近の防災ラジオって本当に多機能でびっくりりますよ!

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